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成年後見制度の見直しとその重要性

  • 執筆者の写真: 和久 眞山
    和久 眞山
  • 4月4日
  • 読了時間: 3分

更新日:3 日前

2026年4月4日付の朝刊にて、成年後見制度の見直しに関する重要な記事が掲載されました。政府は、これまで原則として終身利用とされていた制度を改め、必要に応じて「終了」や「交代」が可能となる柔軟な仕組みへと改正する方針です。


なぜ見直しが必要だったのか


成年後見制度は、認知症などにより判断能力が低下した方を保護し、財産管理や契約行為を支援する重要な制度です。しかし現行制度には、次のような課題が指摘されてきました。


  • 一度利用すると原則として生涯継続となる

  • 本人の意思よりも後見人の権限が優先されやすい

  • 必要な支援が終わっても制度を終了できない

  • 報酬負担が長期にわたり続く


実際に、当初の目的(例えば不動産売却など)が終了しても後見が継続し、利用者や家族にとって負担となるケースも見られます。


改正のポイント


今回の改正案では、制度の根幹に関わる大きな変更が盛り込まれています。


  • 「後見」「保佐」を廃止し、「補助」に一本化

  • 支援内容を個別に設定(必要な範囲のみ)

  • 課題が解決すれば制度の終了が可能

  • 後見人(補助人)の交代も柔軟に対応

  • 本人の意思の尊重を明文化


これにより、「必要なときに、必要なだけ使う」制度へと大きく転換することになります。


不正問題という深刻な課題


一方で、制度の信頼性を揺るがす問題も無視できません。最高裁の発表によれば、昨年1年間で確認された不正事案は163件、被害総額は約7.5億円に上っています。中には、専門職である弁護士等による着服事案も含まれており、極めて遺憾な状況です。


本来、成年後見制度は弱い立場の方を守るための仕組みです。その担い手が制度を悪用することは、制度そのものの信頼を損なう重大な問題です。


行政書士として感じること


行政書士として、この問題は決して他人事ではありません。市民の財産や権利を守る専門職として、最も重要なのは「信頼」です。制度がどれだけ優れていても、それを運用する人間に倫理観が欠けていれば、利用者にとっては不安しか残りません。


今回の改正により制度の柔軟性は高まりますが、それと同時に、専門職一人ひとりの責任はより重くなると感じています。


今後求められる視点


今回の記事でも指摘されている通り、今後は以下のような体制整備が不可欠です。


  • 地域全体で支える仕組み(社会福祉法人やNPOの活用)

  • 見守り・日常支援の充実

  • 第三者による監督機能の強化

  • 本人の意思を尊重する運用


成年後見制度は、「財産管理の制度」から「生活支援の制度」へと進化する必要があります。


成年後見制度の未来


成年後見制度の見直しは、私たちが高齢者を支えるための重要なステップです。この制度がより利用しやすくなることで、多くの方々が安心して生活できる環境が整うことを期待しています。私たち専門職は、制度の改善とともに、利用者のニーズに応える質の高い支援を提供することが求められます。


まとめ


今回の見直しは、成年後見制度をより利用しやすくする大きな一歩です。しかし同時に、制度の根幹である「信頼」をいかに確保するかが、今後の最大の課題となるでしょう。制度の改善とともに、それを支える人材の質も問われる時代です。専門職としての自覚と責任を改めて胸に刻み、真に利用者のための支援とは何かを考え続けていきたいと思います。

 
 
 

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